母の故郷、岩手県陸前高田市にて、先祖のご供養をしてきました。
父も母もすでに亡くなった私にとって、この地は両親の面影と温もりを感じられる場所です。
お寺での法事、お墓掃除、お墓参り。
真夏の陽射しと蝉の声に包まれながら、線香の煙が空へとのぼっていくのを見つめ、静かに祈りを重ねました。
津波で田んぼだった土地は大きく姿を変え、
いまは畑として使われているところも多くあります。
かつて小友駅があった場所にもう駅舎はなく、それでもなお人々は営みを続け、新しい景色をつくっている――復興の歩みを肌で感じる時間でもありました。
そして、ご供養のあと訪れた猊鼻渓。
竿一本で舟を操る船頭さん、川風に乗って響く舟歌。
両岸に迫る岩壁と川面に映る深い緑は、まるで自然に抱かれているようで、静けさと力強さを同時に感じました。
夜は親戚みんなでのBBQと花火大会![]()
炭火の上で弾ける音、香ばしい匂い、笑い声に包まれながら、夜空には大輪の花が咲いては消えていきました。
大叔母ちゃまをはじめ、従兄姉、再従姉妹、甥姪のみんなの笑顔に、感謝で胸がいっぱいになりました。
そして帰る前に楽しんだ、水鉄砲
やシャボン玉
。
太陽の光を浴びてきらめく水しぶき、風に舞って虹色に輝くシャボン玉。
子どもたちも大人も一緒になって笑い声をあげ、真夏の空に響かせました。
その一瞬一瞬は、命の歓びそのもののようで、いつまでも記憶に刻んでいたい大切な時間です。
東京で生まれ育っているわたしにとって帰る場所があり、迎えてくれる人がいること。
祈りと感謝、そして笑顔に包まれた数日間は、この夏のすべてを心の宝物にしてくれました。

