





先日、学びの多様化地方議員連盟で川崎市子ども夢パークを視察し、認定NPO法人フリースペースたまりばの西野博之理事長から貴重なお話を伺いました。
深刻な不登校問題
現在、全国で35万人もの子どもたちが不登校の状態にあります。 特に小学2年生でのいじめが多く、子どもたちは大きなプレッシャーを感じています。 「たかが学校に行けないだけで、なぜ自殺しなくてはいけないのか」 この言葉が、胸に突き刺さりました。
子どもたちの声なき声
自己肯定感が低い子どもたちは、親が先回りして失敗を未然に防いでしまうことで、弱音を吐けずにいます。 周りからは正しさばかりを求められ、精神的な幸福度は38か国中37位という現状に、危機感を覚えます。
川崎市子ども夢パークの取り組み
川崎市には子どもの権利条例があるからこそ、夢パークのような施設が存在します。 平和、人権、持続可能な社会をつくるために、子どもの意見表明権を尊重し、子どもが自由に話せる環境づくりが大切です。
学校教育だけがすべてではない
学校教育一辺倒のシステムは、子どもたちを苦しめています。 文科省だけでなく、子ども家庭庁も巻き込み、学校教育にこだわらない、もう一つの学びの場が必要です。 学校教育部指導課や適応教室とは異なる、フリースペースのような場所を登録制で設け、どこからでも受け入れられるようにすることで、子どもたちが安心して過ごせるスペースを確保できます。
子どもたちの叫び
「学校に行かない子どもが見ている世界」という言葉が印象的でした。 不登校児童生徒を「学校嫌いな子」と決めつけず、生きていること自体を祝福し、暮らしを取り戻せるようにサポートすることが大切です。 「なにもしないこと」の保障や、正しくない、たいして重要でもない無駄話ができる仲間や空間こそが、子どもたちにとって必要なのです。
すべての子どもが輝ける社会へ
どんな子どもも持っている「知りたい」「わかりたい」「やってみたい」という気持ちに集中できる環境、自分のやりたいことを支える環境が必要です。 居場所の中で「こんな私で大丈夫」と充電されることで、ほとんどの子どもたちは高校に進学します。 しかし、高校進学がゴールではありません。 インクルーシブな育ちの場、誰かが誰かを放っておかない、お互いを尊重し合い共に生きる場づくりが大切なのです。
発達障がいという視点
「多動」なだけで問題児にされ、特別支援教育の対象として隔離される現状は、見直されるべきです。 「学びたいことを、学びたいように学ばせてせよ」 一人ひとりの背景やニーズに合わせた多様な学びと育ちを保障する環境づくりが求められています。
「困った子」ではなく「困っている」子
「学校不適応児」ではなく、「子どもに適応できない学校教育」に課題があるという視点を持つことが重要です。 子どもの得意な分野や強いところに光を当て、「医療モデル」よりも「社会モデル」への移行が必要です。
学校だって変われる!
個を大切にし、みんなで楽しく学べる本気の学びの多様化を目指しましょう。
子どもから大人へのメッセージ
「まず、大人が幸せでいてください。 大人が幸せじゃないのに、子どもだけ幸せにはなれません。 大人が幸せでないと、子どもに虐待とか体罰がおきます。 条例に〝子どもは愛情を持って育まれる〟とありますが、 まず、家庭や学校、地域の中で、大人が幸せでいてほしいのです」
スキ間の多い関係の構築
川崎市子ども権利条例策定子ども委員会「多様な学びプロジェクト」代表の生駒知里さんからもお話を伺い、スキ間の多い関係の構築が大切だと感じました。
今日の学びを、これからの活動にしっかりと生かしていきたいと思います。